読むだけでわかる数学再入門-線形代数編

表紙イメージ
定価本体価格¥2,500+税
ページ数280
サイズA5
著者今井 博
発売インデックス出版
ISBN978-4-901092-98-2
カートに入れる 献本を申し込む 試し読み 練習問題・演習問題

はじめにより

線形代数? それって,昔やったという記憶しかない.なんだっけ,という読者,仕事や研究でベクトルや行列・行列式について必要になったが,どの本で勉強したらよいかわからない読者をはじめとして,また,数学の授業でどうもよく意味が分からないという理工系の学生のために,懇切丁寧に,手取り足取り,ただし,宅配のように,お宅まで出張しませんが(^÷^),説明します.

線形代数学は分かり易く言えば,線上に式が連結された代数学の一部門(返って分かりにくいですかね?),ベクトル空間およびその1次変換に関する理論を扱う代数学の一部門,そして,行列や行列式に関する理論を体系化した代数学の一部門,の総称とでも言う学問体系です,と言い換えても,さらに,なにやらさっぱりって感じですかね.要は,高校で習う,ベクトルや行列などを扱う分野のことで,数学の専門用語で線形代数と呼びます,という事です.最近は,ベクトルや行列などを習っていない生徒もいるようで,是非,ここで,線形代数を覗いてみてください.

本書のコンセプトは「読むだけでわかる」ように書くことです.かと言って,漫画本のようにすらすらドラマを見るように読めるわけではありません.ある程度の数学的知識が必要になります.本書のレベルは高校生レベルから大学1年(教養の必修)で習うあたりです.勿論,本書1冊で線形代数の全ての分野を詳しく取り上げることは出来ませんし,する気もありませんし,数学科を出ていない私には数学の知識や能力に限界があります.ですから,本書では,私の説明できるレベルの範囲で,読者の目線に立ち,基礎的なあるいは実用的と考えられる知識をやさしく説明しようと思います.とにかく,難しくないじゃん!,と思ってください.

さて,一番大事なのは,最後まで読み切ることです.ここで「読む」とは,数式の流れを目で見て,なるほど,と納得することです.例題は解答を見ないで解ける必要は全くありません.解答も読むだけで理解できるはずです.本書では,式の変形は,目で追えるように,できる限り省略しないようにしています.ふむふむと流れを追ってください.難しそうと思われる場所では,キャラクターが注意点や説明不足を補ってくれます.

皆さん,読者のためになれば,はなはだ幸甚でございます.

目次

基礎編

1 線形代数 I

  1. 線形代数とは
    1. 線形代数における表式
    2. 1次独立
    3. 1次従属
    4. 数学記号
    5. 和積記号
    6. ブール代数
  2. べクトル I
    1. 位置ベクトルの表式
    2. ベクトルの筆記表記
    3. ベクトルのノルム
    4. 単位ベクトル
    5. ベクトルの幾何表現
    6. ベクトル演算の定義
    7. 内積(スカラー積)
    8. ベクトル積(狭義の「外積」)
    9. 内積とベクトル積のまとめ
    10. 方向余弦
    11. 有向平面
    12. 媒介変数表示
  3. 行列 I
    1. 行列の表式
    2. 行列の演算
    3. 行列の呼び名
    4. 他の行列
    5. 行列のトレ-ス
    6. 行列のノルム
  4. 行列式 I
    1. 行列式の表式
    2. 行列の余因子
    3. 行列式の余因子展開
    4. 行列式の性質
    5. 行列式の和の分離
    6. 行列式の積の分離
  5. ベクトル II
    1. スカラー三重積
    2. ベクトル三重積
  6. 連立1 次方程式
    1. 逆行列による解法
    2. クラーメルの式による解法
    3. 余因子による逆行列
    4. 掃き出し法による逆行列

応用編

2 群・環・整域・体

    1. 群の定義
    2. 群の性質
    3. アーベル群
    4. 部分群
  1. 環・整域・体
    1. 環の定義
    2. 零因子
    3. 環の性質
    4. 部分環
    5. 整域の定義
    6. 体の定義
    7. 部分体
  2. 群・環・整域・体の定義表

3 線形代数 II

  1. 1. 行列 II
    1. 零因子
    2. 行列の分割による積
    3. 行列の演算
  2. 固有値 I
    1. 固有ベクトル
    2. 行列の固有値
    3. 固有値の意味
    4. 行列の三角化
    5. 行列の相似形(2 次形式)
    6. 行列の対角化
    7. 固有ベクトルの交換
  3. ケーリー・ハミルトンの定理
    1. ケーリー・ハミルトンの定理とは
    2. 定理5 の証明(1)
    3. 定理5 の証明(2)
  4. 複素行列
    1. 複素ベクトルと複素行列
    2. エルミート行列
    3. 交代エルミート行列
    4. ユニタリー行列
    5. 正規行列
  5. 2 次形式
    1. 双1 次形式
    2. 2 次形式とは
    3. 2 次形式の定義

4 線形代数 III

  1. ベクトル空間の基礎
    1. ベクトル空間の定義
    2. 基底ベクトル
    3. ベクトル部分空間
    4. 共通ベクトル部分空間
    5. ベクトル空間の和空間・直和
    6. 次元dim
    7. 次元dim の性質
  2. ベクトル III
    1. ベクトルの媒介変数表示
    2. ベクトルの直積
    3. ウェッジ積の基礎
    4. ウェッジ積の拡張
  3. テンソル
    1. テンソルの基礎
    2. テンソルの演算 I
    3. テンソルの演算 II
  4. 行列空間
    1. 空間とは
    2. 行列空間
  5. 写像
    1. 写像の基礎
    2. 線形写像
    3. 写像の種類
    4. 写像と階数
  6. ベクトル IV
    1. ベクトルを微分
    2. ベクトルの微分方程式
    3. ベクトルと積分
    4. 内積空間 I

5 線形代数 IV

  1. 行列 III
    1. 積の結合・分配法則
    2. 行列を偏微分
    3. 行列で偏微分
    4. 行列式と余因子
  2. 階数
    1. 行列 の階数ランクとは
    2. 階数に関する定理と証明
    3. 階数と方程式
  3. 逆行列とクラーメルの式
    1. 元1 次方程式
    2. 逆行列とクラーメルの式

5 線形代数 V

  1. 行列式 II
    1. 行列式の計算
    2. 複数行列を含む行列式
    3. 行列式と余因子

5 線形代数 VI 補足

  1. ベクトル IV 微分
    1. ベクトルを偏微分
    2. ベクトルで偏微分
    3. ベクトル方程式
  2. 直線内挿
    1. 回帰直線
    2. 双1 次内挿
  3. 平面内挿
    1. 面内挿の概念
    2. 最小二乗法による面内挿
  4. 曲線内挿
    1. 双3 次内挿
    2. その他の内挿
  5. ベクトル V 幾何問題
    1. 直線の式
    2. 面の式
    3. 三角関数
  6. 固有値 II
    1. 2 次形式 と固有方程式
    2. 行列の対角化と固有値
    3. 質点系の固有値
  7. 内積空間 II