Excel土木講座 エクセル地盤環境学入門

カバー
定価 ¥3,520(税込)
ページ数191
サイズB5
著者石田 哲朗
発売山海堂
ISBN4-381-01187-2
ISBN (電子書籍)978-4-910058-51-1
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はじめに より抜粋

本書の構成は,「飽和土の透水」,「不飽和土の透水」,「土の圧密」,「土のせん断強さ」と「土壌汚染対策法」となっている.前述した地盤工学の重要項目中の「土の透水」を「飽和土の透水」と「不飽和土の透水」に分けた.不飽和土の透水について書かれた冊子は少なく,新たに学ぼうとする方々には,最初の一歩としては十分な内容だと自負している.

また,本書の内容に関連する学会「地盤工学会」では,環境地盤工学という用語を削除しようとしているほど,土と環境問題とは切り離せない時代感覚となった.そこで,2003年2月15日に施行された「土壌汚染対策法」を章として起こし,法律の内容を理解すると同時に,土壌汚染・地下水汚染や地盤調査との関係を明らかにした.

さらに,末尾にSI単位に関する知識を正しく学習し,その重要性を理解してもらおうと考えて,「地盤工学から見たSI単位」としてまとめた.

勿論,本書『エクセル地盤環境学入門』でも各章の例題の解法を学べるとともに,エクセルの計算テクニックを駆使して構築された,それぞれの例題に対応したエクセルファイルを入手することができる.問題の条件はファイル上で代えることによって,その挙動あるいは結果が一瞬にして得られる仕組みになっている.既刊書『エクセル地盤工学入門』と併用して地盤工学の考え方や,その工学的な計算方法の仕組みを理解され,面倒な計算も繰り返し経験することによって興味がわき,さらに高度な内容に進むきっかけになれば幸せである.

目次

  1. 飽和土の透水
    1. ダルシーの法則
    2. 透水係数の求め方
    3. 透水試験における飽和度の確認方法
    4. 二次元浸透流の基礎方程式
    5. 流線網
    6. 異方性地盤での流線網
    7. 簡便な計算図
    8. 一次元化浸透流解析
    9. 地下水流と地盤の安定
    10. ボイリングを考慮した山留め壁の根入れ長さの検討
    11. 盤膨れを考慮した山留め壁の根入れ長さの検討
  2. 不飽和土の透水
    1. 不飽和土の定義
    2. 不飽和土の透水性
    3. 不飽和浸透の原理
    4. 水分特性曲線の測定方法
    5. 不飽和透水係数の測定方法
    6. 試験例
    7. 不飽和透水係数の推定法
    8. 水分特性曲線の推定方法
  3. 土の圧密 (地盤の沈下)
    1. 一次元圧密理論
    2. 圧密試験
    3. 沈下量の求め方
    4. 二次圧密
    5. サンドドレーン工法
  4. 土のせん断強さ
    1. せん断強さとは
    2. 土中に生じる応力の二次元問題
    3. モールの応力円
    4. 応力円の作図
    5. 地盤工学への応力円の利用
    6. せん断条件とせん断定数
    7. せん断強度に影響する因子
    8. 応力経路
  5. 土壌汚染対策法と土壌・地下水汚染問題
    1. 土壌汚染の定義とその影響
    2. 土壌汚染に関わる規制の変遷
    3. 土壌汚染対策法
    4. 土壌汚染対策法施行以前に廃止した特定施設と調査結果
    5. 摂取経路による措置命令の違い
    6. 不動産価格への影響
    7. 土壌調査手法の基本的な考え方
  6. 地盤工学から見たSI単位への換算
    1. 単位の基本と表示
    2. 質量と重量―密度と単位体積重量
    3. 圧力と応力
    4. 体積と容積
    5. 単位の換算
    6. 補助単位
    7. 地盤工学にでてくる単位の確認
    8. その他の単位で覚えておきたいもの