Excel土木講座 エクセル擁壁の設計

カバー
定価 ¥3,520(税込)
ページ数182
サイズB5
著者田中 修三(工学博士)【監修】
石井 充
坂部 嗣雄(技術士・建設部門)
IT土木技術研究会
発売山海堂
ISBN4-381-01618-1
ISBN (電子書籍)978-4-910058-37-5
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はじめに より抜粋

本書は社内研修用として蓄積した資料を整理加筆して、エクセルに対応させた擁壁の設計計算例としたものである。計算式を計算ソフトエクセルに導入し、計算要素を与えることで、正確かつ迅速に数値計算が行われる実用書とした。

若年実務担当者、学生等のエクセルを応用した擁壁の設計計算の入門書として最適な内容を目指している。また、擁壁の設計計算のベテラン技術者のなかには、パソコンが不得手な方も多い。パソコンの習熟にはさほどの年月はかからないが、経験が重要な意味をもつ土木技術においては、一人前の土木技術に育つまではかなりの時間が必要となる。ところが、ベテランと呼ばれる技術者の中にはパソコンが使いこなせずに折角の技術が生かされないという憂うべき状況がある。

例えば、エクセルを使いこなせるだけで、技術者の寿命はかなり延びる。ところが、多くの有能なベテラン土木技術者が設計現場から消えていく。これは、土木業界の不況のせいばかりではなく、パソコンを使えないというレッテルを貼られたせいでもある。そういう状況を身近に見ていることが、本書を執筆するに当たってのもっとも大きなな動機であった。

なお、本設計は道路土工指針、道路橋指示書、国土交通省日本鉄道施設協会建造物設計標準解説に準拠させて作成しているが、この他、擁壁の設計では宅地生成法、建築基準構造部設計、各自治体の技術指針があり、担当部署とよく協議して作業にあたるべきと考える。

本設計例では、クーロン土圧公式、ランキン土圧公式、試行くさび土圧公式、地震時物部・岡部土圧公式を適時用いて計算した。計算方法については、許容応力度法による限界状態設計法は、次稿にゆずりたいと思う。言うまでもなく、実際の設計現場は多様である。実際の設計においては、本書を参考にして、使用者の責任において作業を行っていただきたい。

目次

  1. 設計の基本条件
    1. 土圧の計算式
      1. クローンの公式
      2. ランキンの公式
      3. 試行くさびの公式
    2. 断面計算
      1. 鉄筋量計算式
      2. 応力度計算式
  2. 重力式擁壁の設計例
    1. 重力式擁壁の設計例(その1)
      1. 設計条件
      2. 荷重計算
      3. 安定計算
      4. 応力度計算
    2. 重力式擁壁の設計計算例(その2)
      1. 設計条件
      2. 荷重計算
      3. 安定計算
      4. 応力度計算
  3. もたれ式擁壁の設計例
    1. もたれ式擁壁の計算例(その1)
      1. 設計条件
      2. 荷重計算
      3. 安定計算
    2. もたれ式擁壁の計算例(その2)
      1. 設計条件
      2. 荷重計算
      3. 安定計算
      4. 応力度の計算
  4. L型擁壁設計例
    1. L型擁壁設計例(その1)
      1. 設計条件
      2. 荷重の計算
      3. 安定計算
      4. 躯体の応力度計算
    2. L型擁壁設計例(その2)
      1. 設計条件
      2. 荷重の計算
      3. 安定計算
  5. 逆T型擁壁の設計例
    1. 逆T型擁壁の設計例(その1)
      1. 設計条件
      2. 荷重
      3. 安定計算
      4. 躯体応力度の計算
      5. 地震時の計算
    2. 逆T型擁壁の設計例(その2)
      1. 設計条件
      2. 荷重
      3. 安定計算
      4. 躯体応力度の検討