介護福祉士は社会福祉を学び,社会福祉士は介護福祉を学ぶべきである。これは私の信念とも言うべき持論である。
1987年に社会福祉士及び介護福祉士に関する法律が成立し,介護関係に携わる専門職として427,573人の介護福祉士が誕生(平成17年10月末現在)した。
内訳としては国家試験合格者が244,133人,養成施設卒業者が183,440人となっている。養成校の状況は,1年コースで46学校66学科2,276人。2年コースで303学校319学科20,583人。3年コースで8学校49学科2,076人。4年コースで45学校45学科1,915人。全体で年間26,850人が誕生することになる。
このような中,今年度になってやっと業務独占についての話題が介護福祉士養成施設校の総会の席上出てきたが,いまだ暗がりを手探りの状態であることには変わりはない。また,制度的問題は別にしても,介護福祉士が専門家としての社会的認知をされているかというと,この点も心許ない。なぜこのような状況が続いているのかと考えたとき,「介護福祉の専門性とは」「介護の専門家に求められる介護哲学とは」,また専門家である介護福祉士を養成する「介護教育とは」等々について論じられることがほとんどなかったことに原因の一端があると思われる。
大学で植物生理学を学んだ私が,縁あって老人福祉の仕事とかかわりをもったのが1976(昭和51)年6月のことであった。以来,1995(平成7)年までの19年間を特別養護老人ホームの介護職等で勤務し,1995〜1997年の2年間の介護福祉士養成学校での教員としての経験を経た後,再び老人保健施設・視覚障害者養護老人ホームの福祉現場で勤めた。
本書が,介護福祉の専門性に関する議論の火種となり,介護福祉士の地位向上につながれば幸いである。