
社会調査は多くの人が知る身近なものでありながら、正しい社会調査の方法を知っている人は決して多くはない。数多くのデータを集めたから信頼できる調査結果になるとは限らないのだが、社会調査の行う側もそれを読む側も、数の多いデータほど信頼できると勘違いしている人が多い。近年、社会調査は頻繁に行われているが、せっかく大量調査をしていながら調査データが正しく分析されていないものや結果の解釈が間違っているものが散見される。間違った分析や解釈は読む側に誤解を与える危険すらある。
そこで本書では、どのような標本を抽出し、どのような手法を用いて調査を実施し、どのような統計処理を用いれば正しい結果を社会に送り出すことができるのかを解説した。誤った社会調査から得られた誤った情報により人々を翻弄してはならない。正しい社会調査法に基づいた結果・情報を発信すれば、人々にその情報を納得してもらえるだけでなく、問題点の改善を図るベースにもなり社会に貢献できる。
本書は社会調査をはじめて行う人にもすぐに間違えず調査が実施できるように社会調査に必要な内容を網羅している。また、社会調査の経験豊富な人にも役立つように、理論のみならず、実際の例をなるべく多く掲載した。さらに、量的調査のみならず質的調査、マーケティングなど、学生や研究者だけではなく、実務に活かしてもらうことができるようにしている。