
大学の理工系の各学部では数学は必須になっています.それは数学が物理学や工学の理論を厳密に記述する上でなくてはならないものだからです.また,歴史的に見ても,数学は独白に発展してきた部分もありますが,物理学や工学からの要請で発展した分野もあります.たとえば,フーリエ級数は,もともとフーリエが熱伝導の研究を行っているときに考え出したものですが,それをさらにいろいろな数学者が発展させたものです.このようなことから数学と物理学は別々に学ぶよりもいっしょに勉強したほうが,わかりやすく興味も増すのではないかと考えたことが本シリーズを企画する動機になりました.数学(特に解析学) と古典物理学のつながりを考えたとき,比較的関連深い分野として次のような対応関係があります.
もちろん,数学は前述のように物理学や工学を記述することばであり,すべての分野と関連するため,このような対応をつけることは多少強引かも知れません.しかし,ひとつの典型例にはなっていると思われます.本書は物理学や工学と密接に関連する解析学の初歩を学ぶ上で,共通の基礎になる大学初年級の微分積分学をわかりやすく解説した本です.したがって,本書は本シリーズの導入のための微分積分学の入門書であるとともに,それとは独立した微分積分学の初歩的な教科書・参考書としての役割も果たすことを目指しています.