社会と環境の相互関連を研究し、人々の行動を類型化することで、その中に潜む思想を分析考察することは社会学の方法論の一つである。
しかしながら、環境の概念は数多く、気象や動植物などの自然環境から都市空間の景観や騒音などの人工的環境まで多岐の概念を有し、また家庭環境、職場環境といった個人の空間から気候変動などの地球的規模の空間まで広範囲にわたっている。このため環境問題と社会の関わりをあらゆる側面から包括的に論じることは容易ではない。
地球温暖化などの環境に関する科学的追求や、政策に関する論評など巷では多数の書籍が出版されている。本書ではアプローチの焦点をエネルギーと環境に関する社会事象に絞り、第1章で工業文明から新たな価値文明の分岐点に到達した社会背景を概観し、第2章で徹底した自由を追求するリバタリアニズムと一定の社会的権利拘束の上に自由を求めるリベラリズムの二つの社会思想を社会契約論と環境倫理の視点で整理した。また第3章では、エネルギー問題と環境問題に関わる社会のトピックスを前章で整理した社会理論を当てはめて解釈を試み、最終章は結語として本書のまとめを記載している。