
耐震設計は,常時と対比した地震時という1つの荷重状態に対しての設計である.構造物にとってどちらが厳しい状態であるかは,本来検討を実施して初めてわかる.しかし,日本は非常に地震が多い国であり,地震時によって(地震力によって)構造物の構造諸元が決まることが多いのも事実である.
地震被害を受けるたびに,耐震設計の方法および地震力が改訂され,日本の社会資本は,地震にとって安全であるという認識をもつまでに至った.
そのときである.1995年に兵庫県南部地震が発生した.その被害の甚大さは,土木技術者がそれまでもっていた安全神話をものの見事に吹き飛ばした.耐震設計において,この地震は一大転機となったともいえる.
耐震設計にあたって重要なことは,構造物および地震力の作用の特性を勘案して,どのようにして構造物の耐震性を確保するか,という計画をまず考えることである.たとえば,基礎地盤を地盤改良したほうがよい場合もあるだろうし,逆に構造物の耐力を増して抵抗させたほうがよい場合もある.また,基礎構造と地上部分の強さのバランスなどにも注意を払う必要がある.さらに,大規模な地震を考えた場合,構造体としての粘り強さを増すことで対応するなどの方策も考えられる.
つまり費用対効果を考えて方策を立案し,最適な設計を行うことが重要である.