鮮やかな影とコウモリ

本体価格(税抜) \2,800
ページ数 478(ハードカバー)
サイズ A5
著者 アクセル・ブラウンズ
訳者 浅井 晶子
発売 インデックス出版
ISBNコード 4-901092-40-5

本の紹介

ドイツでベストセラーになった自閉症者による自伝。下記目次の「立ち読み」から、本文の一部をごらんいただけます。

書評

自閉症者の内面世界への洞察を可能にする
2003年1月『脳と精神』誌より

これは自閉症者の自伝である。そしてそれは、ほとんど詩的とさえいえるすばらしい言葉を駆使したものである。自閉症者自身による自閉症の記述は非常にまれである。しかも明らかに第三者の手を借りずに書かれたものだ。本書は謎に満ちた自閉症という世界にいる人間の思考方法への親密な洞察を我々に可能にする

驚異的な記憶力で描いた自伝
2003年4月7日 「フランクフルター・ルントシャウ」紙より

《暖房》は彼に《挨拶し》、《ドアノブ》が彼の《注意を引く》。けれど彼にとってほかの人間を知覚することは難しかった。彼らの顔には「まるで舗装されたばかりの道路のように」蒸気がたちこめている。アクセル・ブラウンズは自身の内面世界を描いた「鮮やかな影とコウモリ」で、一躍有名になった。 ブラウンズは、この小説を純粋に記憶からのみつくられた「百パーセントの自伝です」と言う。作者の記憶力は、本人の弁によれば「怪物なみ」なのだ。

他者の雑音、自閉症の世界からの豊かな響き
2003年6月 『Literaturkritik.de』誌より

アクセル・ブラウンズの「鮮やかな影とコウモリ」は、言葉の通じない外国にいて、人の言葉が雑音、騒音としか聞こえない、例えるならばそんな自閉症の体験をつづった本だ。しかしそれは一時的なエピソードではなく、深い生の感覚である。 ブラウンズは、自身の殻にとじこもった子供時代から、自立した大学生になるまでの月日を、障害者の手記としてではなく、豊かな言葉を使った散文として描写した。この本のなかで彼が認識を獲得していく過程は、言葉を獲得していく過程でもある。

「詩的自閉症」は、文学作品の傑作である
2003年1月『社会精神医学』誌より

アクセル・ブラウンズの子供時代と少年時代は、他者を知覚し他者の中でうまく生きていくことの困難に満ちていた。その体験を文学に昇華した作品である。 ブラウンズは言葉に対して特別な関係を構築する。彼は独自の言葉を発明し、それらの言葉がこの本を芸術作品に高め、彼の異質なパースペクティヴを非常に詩的に明らかにする。 ブラウンズがある朗読会で語ったところによれば、彼がその著書のなかで伝えたかったもっともすばらしい発見は、ズィルトのある通りの名前が三種類の異なるスペルで書かれているということだった。

目次

  • プロローグ立ち読み
  • 幼年期
    • 二歳二か月〜三歳四か月
    • 三歳十か月〜四歳〇か月
    • 四歳一か月〜五か月
    • 四歳六か月〜八か月
    • 四歳十か月〜五歳〇か月
    • 五歳一か月〜七か月
    • 五歳十一か月〜六歳二か月
  • 少年期
    • 六歳一か月〜二か月
    • 六歳三か月〜六か月
    • 六歳十か月〜七歳三か月
    • 七歳四か月〜六か月
    • 八歳〇か月〜六か月
    • 八歳九か月〜十か月
    • 九歳〇か月〜一か月
    • 九歳八か月〜十歳一か月
    • 十歳一か月〜十一歳〇か月
    • 十一歳一か月〜十一か月
    • 十一歳十一か月〜十三歳一か月
    • 十三歳三か月〜十四歳六か月
  • 思春期
    • 十四歳八か月
    • 十四歳八か月〜十か月
    • 十四歳十一か月〜十五歳二か月
    • 十五歳二か月〜六か月
    • 十五歳六か月〜十六歳一か月
    • 十六歳一か月〜三か月
    • 十六歳八か月〜十七歳〇か月
    • 十七歳〇か月〜五か月
    • 十七歳五か月
    • 十七歳六か月〜八か月
    • 十七歳八か月〜十か月
    • 十七歳十一か月〜十八歳〇か月
    • 十八歳一か月〜五か月
    • 十八歳九か月〜十一か月
    • 十九歳一か月
    • 十九歳一か月
    • 十九歳二か月〜五か月
    • 十九歳六か月〜九か月
  • エピローグ